社名やサービス名とロゴマークの作り方(社名編)

さて、社名やサービス名を決めるときに、皆さんはいつもどうしていますか?センスのいい人であれば、名称もロゴもサラサラと作れてしまうかも知れませんが、なかなかうまくは行きません。また、依頼されて作成した場合、感覚的に作ってしまうと、実際の業務内容やサービス内容に合わないばかりか、後々問題が出てしまうこともあります。ここでは、社名やサービス名を検討する際の主な留意点や、ロゴを作る際に考えておく点などを整理してみます。

特に、デザイナーさんにロゴをお願いする側の人はご一読頂けると、デザイナーさんに、より具体的で正確なイメージを伝えることが可能になりますので、ご参考にして頂ければ幸いです。

・業務内容の確認

社名を決めるのであればその約款に書いてある内容が中心となると思いますし、サービスであれば企画書などが「そもそも、この会社・サービスは何をするものであるか?」を表すためのドキュメントになると思います。このドキュメントを基礎として、これから実際の社名・サービス名や、ロゴを作っていくことになります。

・会社の目標、目的を洗い出す

約款や企画書だけでは全体を表すのには余りにも不十分です。そこで、実際に創業・初期メンバーや企画を立ち上げた人からのヒアリングが必須になります。特に、将来的な展開や、理念などを聞く事が大切です。また、その会社やサービス特有の仕組みや特徴があれば、可能な限りここで洗い出します。他社との差別化ポイントなどの「いいところ」を洗い出していきます。

・各業務や目標から、連想される単語を思いつく限り

約款・企画書・将来展開・理念・業務内容・他社との差別化など、会社の考えや大枠が見えてきたところで、それらの事柄から想像できる単語を徹底的にリストアップします。初回は必ず、創業メンバーが参画するべきだと考えます。やはり、ヒアリングだけではあぶり出し切れていない思いや大切なポイントなどが単語とともに表面化するからです。

・方向性の検討

単語が出そろってくると、なんとなくどのような方向性の名前にすればいいかがおぼろげに見えてきます。この時点では決定でなくて良いのですが、方向性を決めます。例えば「英語はイメージに合わない」程度でいいです。具体的には、以下のようなポイントを決めていきます。

  1. 日本語で行くか
  2. 英語で行くか
  3. ミックスで行くか
  4. 略語で行くか
  5. 造語で行くか
  6. 普通にするか
  7. ちょっと変わった物にするか
  8. イメージカラーはどうするか

・名称の候補出し

さて、単語も出そろい、大まかな方向性も決まったので、実際の名称の候補を出していきます。前段の「方向性の検討」で出された連想される単語の優先順位付けをおおざっぱにしておきます。次に、各単語と方向性をもとに、候補出しをします。複数の候補を元に交配し、各候補の中間に位置する名称も検討しておくと想像の幅が広がります。
そもそもSEO対策としての名称の検討も視野に入れるべきです「運送輸送株式会社」とか「東神奈川接骨院」とか「ワンルーム掃除隊」とか、顧客が検索をかけそうな単語を最初から名称に取り込んでしまうのです。

・多角的な検討

名称の候補が揃ったら、今度はそれらを多角的な角度で検討します。なんとなく気に入ったとしても、実際に使用する為には多くのチェックポイントが存在します。特に「同名の会社やサービスはないか」はとても大切です。これを早期にチェックしておかないと、後でエラい目にあいます。

  1. 内容や目標、目的が連想できるか
  2. 覚えやすいか
  3. 名乗るときにおかしくないか「株式会社○○の近藤です」「○○と言うサービスです」
  4. 同名の会社やサービスはないか
  5. 類似の名称に、反社会的な物はないか
  6. ドメインは取れるか
  7. 似たような言葉に不適切な物はないか
  8. 検索結果に不適切な内容はないか
  9. 外国人から見たときに、不適切な内容ではないか
  10. そもそもその名前で申請可能か(手続き、遵法)
  11. 株式会社などの場合、前株か、後ろか、略すか、4文字か

・社名・サービス名の決定

これらのチェックを通過した物の中から、実際の社名・サービス名を決定します。もう一度、この会社やサービスはなんなのか振り返ってみて、そのイメージと合致しているか確認して下さい。

決定したら、検討の経過をまとめて保存しておきます。後日、ロゴの作成でも使用するので、経緯は必ずまとめて保存しておいて下さい。

・社名・サービス名の保護

決定した名称は、速やかに会社の登記、商標登録を行います。平行してドメインの取得(複数トップドメインで .com, .info, .co.jp, .jp .tv )も行います。これらの申し込みは基本的に先着順ですので、決まったら速やかに取得しましょう。

・必要に応じて社是、キャッチフレーズの作成

立ち上げ時の精神を忘れないために、簡潔なフレーズなどを作っておくのが良いでしょう。このタイミングであれば、関係者の会社やサービスに対するイメージは統一されていると思いますので、ここでキャッチフレーズを作るのがタイミング的にいいと思います。

では、次回は「ロゴ編」です。ここまででまとめたことを基に、ロゴの作成手順を見ていきます。

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